2018年度付中通信第13号 スピーチコンテスト

2018.10.15  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

今年の高円宮杯山口県地区予選会で、本校生徒が1位2位を独占、強豪ひしめく県大会に歩を進めた。優勝は過去18年間に6度あったが、準優勝までさらってきたことはない。そういう意味でたいへんな快挙であった。

いわゆる英語の4技能とは、読む、書く、聞く、話す、というおよそ語学を習得するためには必要不可欠の4つの技能を指している。

しかし、何故今さらこの当たり前のことが声高に叫ばれるようになったかと言えば、従来の学校教育においては、読む(何が書いてあるのかわかるようになる)ことにものすごく重点が置かれ、他の3つ、中でも話す、は特別に軽視されてきたからだ。

誰が考えても明らかなように、言葉について、生活上もっとも有益な能力は言うまでもなく、話す、に決まっている。

聞く、はセンター試験にリスニングテストが採用されてから少しは事情が変わってきていたし、書く、は国公立大の2次試験では出題されてもいたから、入試突破のためにも、それなりに生徒も教師も頑張ってきた。だが、入試が変わらないから、話す・書くに時間を割いてはいられなかった。

だが、もう後には引き返せない。英語教師は4技能をバランスよく指導しなければならないし、その環境作りに、挙校体制で臨まねばならない。

あとは、2020年度から始まる新大学入試、いやその先に待っているグローバル社会で自由にコミュニケーションできる日本人の養成を目指して、まっすぐに進んでいくばかりである。

2018年度付中通信第12号 卒業生リレーエッセイ

2018.10.2  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

学園の120周年記念事業の一環として昨年9月から、中国新聞の防長路というコーナーに「天空高き」と題するコラムが連載された。卒業生コラムと称し、7か月間にわたる連載シリーズに高水学園の卒業生14名が登場した。

これまた古い話だが、学園の歴史は明治31年まで遡るゆえ、卒業生の数も優に25000人にも達し、戦前の卒業生の多くはすでに鬼籍となっている。この連載を始めるにあたり寄稿をお願いした方の中で最年長者は鄭忠錫氏。氏はこの通信でも以前紹介した、戦前に韓国から日本に留学した396名の中の一人である。1944(昭和19)年卒、御年92才。韓国留学生中唯一今も元気に活動されている。

そして最年少は、二十歳の慶応大文学部在学中の好中奈々子氏だ。好中氏は高校在学中、全国規模の作文コンクールで何度も最優秀となり、海外研修旅行の副賞をこれまた何度も手にした。私が関わった卒業生中、そういう意味では最強だった。思いは尽きない。