2019年度付中通信第1号 志高く!

2019.4.1  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

今、世界は劇的に変わろうとしています。
AI(人工知能)によるデータ収集や解析技術の進歩は機械を「自律化」させ、IoT(モノのインターネット)によって第4次産業革命が着々と進展しています。
また、グローバル化によって、各国各地域は緊密に結びつき、経済活動が地球規模で繰り広げられる中、私たちは多様性との調和に苦しんでいます。

さらに日本では少子高齢化が急速に進み、地域産業の衰退は言うまでもなく地域そのものの消滅が叫ばれ始めています。
21世紀前半を生きる私たちは、次から次へと新たな課題に頭を悩まさねばなりません。

しかし、どんなふうに社会が変化しようと私たちの願いに変わりはありません。

私たちはどうしたら生き甲斐のある充実した人生を歩めるのか。どうしたら幸福になれるのか。
そして、そのために教育は子どもたちに何ができるのか。

それを、自分の好きな分野で他人をしあわせにしたいと願い、それを実現しようとする意志、すなわち志(こころざし)を育む教育に求めたいと思います。
なぜなら、人のしあわせも志を果たす過程にあると考えるからです。

本校は長い伝統と歴史を持つ学校です。その中で昔と今を貫いて今日皆さまにご紹介できることが3つあります。
この3つの方法によって、子どもたちの志を立ち上げ、大切に育んでいきたいと思っています。

まず、中高一貫教育です。知徳体のバランスの取れた人格の育成は、無駄と無理を拭い去った6年間を見通した教育課程の下で円滑に進めることができます。
次に、探究的な学びをこの教育課程の中に取り入れていくことです。身の回りにある問題を発見し、そこから課題を汲み取り、解決していく力をつける教育が求められています。
3つ目に、校外活動の活性化があります。地域社会の人々や他校の生徒との交流による新しい出会いと体験が、生徒の経験値を高め、広い視野から問題を見つけることを可能にするからです。

以上により、2019年度の付中(中高一貫教育課程)の教育目標を次のように掲げます。

1.学習指導要領改訂を踏まえ、中高一貫教育の利点を生かした特色あるカリキュラムの編成を目指して、各教科においてシラバスの再編及び再構築を図る。
2.タブレットを含むICT教育機器を活用しながら、アクティブラーニングから探究的な学びへと学びの質のさらなる向上を目指す。
3.ユネスコスクールの利点を生かし、国内外を問わずできるだけ多様な世界に触れる機会を提供し、生徒の経験値を高める。