2018年度付中通信第17号 ANNMIコンサート

2018.12.17  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

今年一年振り返っていたら、付中通信に「ANNMI」について書いていないと気づきました。

「ANNMI」とは、Asia / America New Music Institute=アジア・アメリカ現代音楽協会の呼称です。ANNMIは米国の作曲家チャド・キャノンにより2013年に設立されました。新しい音楽文化交流をアジア各国とアメリカとの間に繋ぐことをその目的として活動が開始。

ヴァイオリニスト五嶋 龍氏をはじめ日本の著名なソリストも名を連ね、世界各地の音楽祭に参加をして、その訪問先たる国々の演奏家と共に、作品を発表することによって、現地の音楽家との交流をはじめ、それぞれの国の文化背景を持つ若い作曲家達の新作への関心や理解を深めることなどを目的に活動を続けているのだそうです。
AANMIは訪問先各地で学校訪問、ワークショップやパネルディスカッション、或いはユースオーケストラ指導などのアウトリーチ活動や地域への音楽貢献を積極的に行い、現在までにニューヨーク・ボストン・ロサンゼルス・ユタ、北京・天津、韓国、そして日本(沖縄)タイ・ベトナム・シンガポールなどで活動し大変な好評を得てきました。

そのANNMIの、世界的にも有名な若手音楽家たち12名によるミニコンサートが6月20日に本校で開催されました。ANNMIは、米国大使館及び米日財団の支援により、日米親善のためのコンサートツアー(演奏会・講演会など)を、6月11日(月)~22日(金)の間、京都を皮切りに西日本各地で行い、その一環として、中高生らとの交流を柱にした学校訪問を希望していました。

山口県内においては、ANNMI代表者が作曲を担当した映画「ペーパーランタン」で縁の深い岩国柳井地域の学校が候補に挙がり、本校が選ばれたのでした。

中学生が現代音楽、しかも生演奏に触れられる機会はめったにないし、世界の最先端を走る名立たる音楽家たちに出会える機会もまずありません。これが私たちの追求する音楽なんだと、中学生にとってはかなり刺激の強い体験ではなかったかと思いました。

当日来校された音楽家の方々・・・

チャド・キャノン(代表者・作曲家)、
梅崎康次郎(尺八)、
マイケル・アヴィタビーレ(フルート)、
デイヴィッド・デイアズイエル(クラリネット)、
ゼナス・シュー(ヴァイオリン)、
ジェシー・クリステソン(チェロ)、
小杉紗代、
スン・ヨン・パーク、
伊藤琢磨、
カルロス・サイモン、
その他総勢12名

 

 

 

2018年度付中通信第16号 中六講演会

2018.12. 3  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

中高一貫教育の生徒を対象に毎年1回、外部講師を招聘して講演会を開催してきました。今年度は11月7日(水)、東京で活躍されている大村医師に登壇していただきました。
先生は、耳鼻咽喉科の外科医として鼻の奥にできた腫瘍を取りの除く手術では、この分野における日本の第1人者と呼べる医師です。
この手術は、脳外科医とタッグを組んで二人がかりで行うもので、先生自身が考案されたオリジナルな術法も世界中で高い評価を受けています。言わば、「神の手」の持ち主として、先生の手術を受けるために日本中、いや世界中から患者さんが集まってくるということでした。

先生は教育にも深い関心を持たれていて、若い世代の可能性を引き出したい、できれば何かそのことで役に立ちたいという熱い思いの中で今回の講演を引き受けていただくことになりました。

当日は、医療の進歩と医療で命を救うことに高い志を抱いて今まで努力に努力を重ねてきたこと、そして、中高生たち若い世代がこの志を受け継いでいってほしいと熱く語られました。
講演が終わってからも生徒たちの興奮は冷めやらず、多くの生徒が会場に残り、先生は質問攻めにあい、生徒らの関心の高さがよくわかりました。
そういう意味では、過去最高の中六講演会であったと思います。

また、先生は毎年1回、日本の耳鼻咽喉科のトップ医師による医療チームを組織してカンボジアでの活動をもう10年以上に亘って続けてこられました。
そういう思いの中で、中高生に現地での活動を直接見て感じてほしいという願いから、岩国ユネスコ協会が来年3月に、中高生を対象としたカンボジアへのメディカルスタディーツアーを企画することになりました。実は本校からも4名がこのツアーに参加することが決まっています。

まさにスーパードクター、何から何まで感服することばかりでした。
以下大村医師の略歴を紹介しておきます。

大村和弘(おおむらかずひろ)
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科教室

2004年 東京慈恵医科大学卒業
イギリスセントトーマス病院での短期臨床留学、総合病院国保旭中央病院で初期臨床研修、
救急救命科の後期研修を経て、2006年UCLAの短期臨床実習を終了。
2006-2008年までNPO法人JAPAN HEARTを通じて、ミャンマーでは村々を回り、
被災地に根付いた文化や医療システムを活かした支援、
また、カンボジアではJICAの短期専門家として現地の救急医療スタッフ育成に従事。
2016年より大学病院での活動の傍ら、2017年NPO法人Knot Asiaを設立。
遠隔コミュニケーションシステムを利用し医療や日本国内をはじめ韓国の医学生の教育に携わり、
特にアジア諸国とのより良い関係構築に貢献。
現在は、「医療と教育でアジアを繋ぐ」「気道トラブル0」「美しい手術」、この三つを
モットーに、フィールドは日本を越え、アジア各国でも医療活動・レクチャーを継続し、活躍中。

実際の活動の動画は下記URLから https://www.youtube.com/watch?v=Umka5g-PTMA