2018年度付中通信第15号 ポールケインがやって来た

2018.11. 15  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

本校には海外に2つの姉妹校があります。

初めての姉妹校はカナダのアルバータ州という大変寒い地域にあるポールケイン高校でした。この学校とは、カナダの高校生を日本に招聘し、日本の高校生をカナダに派遣するという外務省事業にユネスコスクールの中から本校が選ばれ、委託されたことが機縁となり、1年がかりで姉妹校の協定を結ぶことができました。2014年のことでした。

2つ目の学校は、オーストラリアのクイーンズランド州というグレートバリアリーフに面した温かい地域にあるサザンクロスカトリックカレッジです。この学校とは、校長本人が本校教員と旧友であったという因縁から、急激に惹かれ合い、初めてサザン校が来日し、本校を訪問した際、校長同士が意気投合、一気に姉妹校協定まで登り詰めました。2016年のことでした。

現在、この2校とは隔年で交互に短期留学を実施しています。本校から見ると、毎年どちらかの姉妹校から留学生を引き受けているということになります。

ところで、ポールケインが先ごろやってきました。生徒8名引率2名、総勢10名のカナダ人を迎えて、生徒たちは1週間足らず、異国の来客と一緒に授業に臨んだり、アトラクションを楽しんだりしました。

さて、ここで一つ、説明しにくいことがあります。というのは、カナダの、少なくともアルバータ州の高校に共通した制約についてです。高校生は引率と一緒でなくては、ホームステイ先にバディーと一緒に宿泊できないのです。いったい、なぜ? これをうまく説明できる人とこの解消法を、ずっとずっと探し続けています。

そこで、この解消法が見いだせない間は、当面、わが拙宅に引率の先生と一緒に高校生諸君を宿泊させることになりました。もう、これで2回目です…。

2018年度付中通信第14号 学園創立120周年

2018.11. 2  高水高等学校付属中学校長 宮本 剛

今年度当初に、学園創立120周年記念誌の制作委員会を立ち上げ、法人当局が中心になって地道な編集作業を続けています。進捗状況は、決して良好とはいえませんが、それでもなんとか前に進んで、最近になってようやく目鼻がついてきました。編集方針の大本にあるのは、創立百周年以降の20年間を高水の新世紀への歩みと捉え、そこに焦点を当てて、今一度関係者とともに振り返ってみられる記念誌にしたいということです。

実は、私自身が本学園に着任し、今年でちょうど丸30年が経ちました。すると、今思えば百周年というのは、ちょうど私が着任してから10年目となります。恩師の一声で東京から高水に帰ってきた時、私はちょうど30歳でした。つまり、40歳の時が学園百周年となり、教員生活を振り返ると、最も元気があって、中堅として今後の学園はどうあるべきか、若いなりにいろいろと悩み、葛藤していたことを思い出します。

完成した記念誌をご覧になれば、はっきりとわかると思いますが、この20年間で何がいちばん変わったかといいますと、それはやはり、学園が地域や世界に向けて大きく開かれていった時代と総括してよいのではないかと思います。

ユネスコスクールの認定を受け、一応このスクール同士の交流という形で、ともかく学園は世界の大きくて大切な思想を他校と共有する学校となりました。この過程で、文化祭は公開され楽学祭となり、国家的な事業の一つを依頼されたことを契機に、カナダとオーストラリアに姉妹校を持てました。今、交換留学が軌道に乗りつつあります。

およそ、こんな20年間を、誰があの百周年の日に想像できたことでしょう!